広告の魔術 Part1~時代を超える広告の原理~①
グレイグ・シンプソン、グライアン・カーツによって著された『広告の魔術』では近代広告業界を牽引してきた6人の伝説的広告マンから学べる現代でも通用する広告におけるノウハウやマインドを惜しみなく紹介している。
そんな本書の第一章~時代を超える広告の原理~から筆者が興味深く感じた点を3回にわたってチャプターごとに紹介していこうと思う。
第一回の今回は6人の伝説的広告マンのそれぞれの人生に焦点を当てる。6人の人生からどのようなことを学べるのか楽しみだ。
⒈6人の伝説的広告マン
ロバート・コリアー…哲学的広告マン
人間性という部分にアプローチを図ることで多くの成果を残した。「緊急性」などを用いて、人々に広告を読ませるだけでなく、行動を起こさせることにも注力した。
ジョン・ケープルズ…ヘッドラインの達人
ケープルズはホプキンスと同様に、広告の効果を科学的に検証するために計測の必要性を説いた。また彼は好奇心やニュース性といった性質だけでなく、人間の利己心に訴えかけるヘッドラインの重要性も主張した。
デイヴィッド・オグルヴィ…広告の魔術師
オグルヴィは「顧客は馬鹿ではない。顧客は君の奥さんなんだ」という言葉を残した広告マンの中で最もよく知られた人物の1人である。彼は商品を徹底的に研究し、あたかも商品が自分から語り始めるようにすることを心掛けていた。オーディエンスに敬意を払うこと、実際の品質に基づいた宣伝文句を書くことは商材がモノであろうが人であろうが変わらない。
ユージン・シュワルツ…革新的広告マン
シュワルツは人間の根底にある心理を革新的なコピーを書く鍵として利用していた。また、彼の関心は商品そのもの、すなわちどんな商品か、その商品には何ができるのかにあった。
ゲイリー・ハルバート…コピーライターのゴッドファーザー
効果的なコピーを作るとき、ハルバートは決まって原点に戻ることを勧めたという。原点とは「お得意様」のことであり、彼らが商品のどこを気に入っているか、そして何を求めているのかを確かめるという。
⒉伝説的広告マンの共通点
ここまで6人の伝説的広告マンについて軽く触れてきました。彼らに共通する最強スペック・最強マインドとは何なのでしょう?
オーディエンス(見込み客)こそ最も重要
彼らは見込み客のことを理解しようと努めた。その意味では若いころの平凡な生活が活かされている。
人を見下さない
一流の広告マンは普通の人を引き付ける広告を書くために工夫を凝らした。そこには相手の理解のために自分の知識を使おうという意識が常に見えていた。
商品研究がすべて
コピーライターというと想像力を用いて、セールスを行っているイメージを持つかもしれないが、実際はその真逆である。彼らは商品を徹底的に研究しどうすれ、どうすればその商品が売れるかを考え抜いていた。
まとめ
現代では広告系というとキラキラしたイメージがあって、合コンなどではっちゃけているイメージであったが、その裏では研究を重ね泥臭く商品が売れる方法を考え続けていることが分かった。広告系に勤めている方々にゴメンナサイをしようと思う。
次回は伝説的広告マンたちが実際に行っていた施策や、どのような努力をしていたのかについて触れていこうと思う。